十年前の話

なんで突然歴史に、と、聞かれたのですが、それは、当時放送されていた天〇人という大河ドラマへの「これじゃない感」のせいです。

いや、史実はともかく、藤沢周平の密謀とか山田風太郎歴史小説直江兼続は知っていたので、上杉の辣腕家老で六尺超えのイケメンってイメージだったわけです。

なのに、件の大河では、どうもこの人には政務を任せたくないぞって人物造形がされてまして、演じた人には申し訳ないのですが、やたらにこにこしてる小柄な童顔青年ってあたりで、兼続じゃない感が満載。貴様、あの魚津城まで行って何してんのとか、すごく軽く扱うよね、主君の意思を、とか。

そんで上洛の頃に見るのをやめてしまって、勝手に捏造を始めたら、予想外に楽しくて続いてしまったわけです。結局最後の逝去の場面だけ見たけど、あれもひどかったな。そこらの隠居老人じゃねぇんだぞ、の、描写で。

そして、北村さんの御屋形様は、まつげバシバシの華やかなイケメン過ぎて、あれでは後世に美丈夫って百回書かれてしまうレベルなので、やっぱりなんか違うし、謙信公は、覇王みたいな頑丈さの阿部様で、正室百人いそうだし。

玉鉄だけは、ですよねー、って美形の良き景虎だった、ってのを、師匠とのお話で思い出しました。

 

最近は、真田丸、直虎、いだてんと、好みで楽しみな大河が続いているのですが、一時ひどかった時期があったんだよな。

考証何それ、お茶の間にわかりやすく受ければいいでしょ、みたいな。だから、主人公がやたらメジャーな人と出会ったり影響を受けたり、物理的に無理な距離をけろっと踏破したりするのね。

泣きながら伊賀を超えた家康公のお供をしてこその主従だというのに。組の多摩時代みたいなもので、そこを映さないと関係の根拠がねぇぞ、の、ストレスが多大になると捏造を始めるみたいです。個人的には。

 

そういう意味では真田丸は、ドラマ楽しかったなぁ、と、ぼんやり断片を想像するだけでよかったので、三谷さんはホームドラマの人だけあって、そこに不足がないよなと思います。

御屋形様、でかかったけどかわいかったな。兼続は、含みあるいい半眼で、健気な上杉家の番犬であった。二人でいる時の苦労してきたんだねぇ感が良くて、気持ちよく見てました。

 

ま、今回の大河は、二人ともまだ生まれてもいないので、多分出てこないでしょうから気楽です。上杉家でちょっと出てくるとしたら、謙信様かな。ガクト様以来の派手なキラキラでも、ストイック学僧系でも、大スターだからどんとこいですよ。