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あと、一つ二つ載せておけば、米沢時代まで齟齬がないかなぁ、の、青春との別れ話「春闇」でした。

 

で、以下は書こうとしてエグくてすっとばした御館の乱の話。史実的に概要をご存じの方は、不要です。

 

こちらは特に詳しくもないし、変わった解釈もしていないので基本ウィキでOKなんですが、要は先代様が関東遠征の支度のさなかに突然逝去されてしまったので、北条家からの質子→養子となった上杉景虎と、弾正少弼の官位を譲られていた上杉景勝の間で後継を巡って起きた内乱、と、いうか戦です。

景勝方が春日山本丸を占拠、景虎方が二の丸から逃れて上杉憲政の御館にこもったことからの命名だそうで、要は上杉家継嗣の乱。

 

血縁や軍役、上田衆に対する直前の軍事力の増強、家中別格で御中城様と呼ばせていた扱いを思えば、順当に景勝だろって感じもするんですが、この人は上田長尾家の出身でして、先代謙信を支えた古志長尾家とは犬猿でして、そんでもって当然景虎実家の北条家や、当時北条と同盟関係にあった武田が介入して、家臣団も地域や血縁で二分するわけですが、とりわけ謙信時代の強力基盤であった地域から悉く背かれているのが興味深いんですよね。

 

謙信が景勝に送ったほほえましい手紙は現存していますし、実子の無かった謙信公が敬愛する姉の子を可愛がったのは確かなのでしょうが、そもそも謙信公は筆まめだったようなので、それは景勝に限ったことではないかもしれないし、もし手紙のような間柄であったなら、そういう血縁に対する甘さのようなものを謙信公の基盤である古志衆が苦々しく思っていたのかもしれないなぁとか、まぁ色々と楽しい妄想がはかどるわけです。

上田衆は、謙信時代に一度叛いてもいるし、古志方が気に食わないのも仕方ないし。

 

ただ、寵臣筆頭の河田長親や、古くからの重臣である吉江家や直江家が景勝方に着いたことを考えると、謙信の遺志がどうこうというより、越後を国として保つためには北条家の景虎を後継にするわけにはいかなかったんだろうなぁと。揚北衆の色部本庄新発田とか、一癖ありげな家中が景勝方ってあたり、現実的な落としどころが景勝後継だったんだろう感があるわけです。まぁ新発田さん、御館の戦が終わってすぐに褒美が少なかったんで腹立てて叛いちゃうけど。

最終的には、本丸の金蔵抑えた景勝方が、武田勝頼の頬を金でひっぱたいて味方につけたのと、冬場で北条の援軍が間に合わなかったのが大きいのかもしれないけど、北条援軍が間に合っても、混乱が長引くだけで、結局景虎は勝てなかったんじゃないのかなぁとも思うわけです。

氏政さん、そもそも援軍出す気があったのかなぁとか。あんま関係が深くないはずだし、現実的な方だったみたいだから、せいぜい東上野当たりまで兵出して逃げてこられれば助けようか、くらいで。

まぁ、それで景勝様は、景虎も正妻だった実姉も後継だった甥も殺すわけで、実母もパワーバランスを鑑みたのか景虎方の城に籠ったりしまして、まぁ色々と辛かっただろう戦です。

当時景勝22~23歳、どっかにいただろうけど下っ端だったから名前も残ってないね的な扱いだった兼続が18~19歳の頃です。

就職するくらいと、大学入学くらいかな、と、考えるとしんどいっすなぁ、あの時代。腐り掛けの生首を、次々検分する大学生達って想像すると、あわわわわ、と、なる。まぁ景勝さんは、特に若いころから殺し合いばっか見てるから、慣れてはいたでしょうけども。

 

その後の戦後処理も揉めて、それで直江船さんの旦那さんが春日山城内で殺されて、兼続が後婿に入るわけですが、それは「拾遺」に書いたので、そっちで。

そういや、謙信公死去の際に直江家の継室が枕元で遺言を聞いたって説もあるようですが、直江景綱さんは、女性関係が褒められたものじゃなくて、その方が船さんの生母かどうかは、はっきりしないみたいです。当時はもう信綱さんと結婚して、与板に住んでたみたいだし。ただ、直江家の室が正室なき謙信時代の奥を仕切っていたのは確かなようで、船さんがその後春日山でも伏見でも上杉の奥を仕切ったのも、家中からすれば見慣れた光景だったのかもしれないですね。

 

個人的には、旦那とより長く一緒に生活したであろう菊船コンビには、むらむらと花咲く妄想があります。菊ちゃんは勝頼を亡くして、船さんは信綱さんを亡くしている。年も近く、ともに聡明だと書き残された女性二人の洛陽での暮らしって、ちょっと麗しすぎるし、その後船さんは生涯をかけて、菊ちゃんが選んだ年若い側室四辻の姫さまの生んだ上杉継嗣である定勝さんを大事に育て上げているわけで、こう、シスターフッドだわぁ!と目がキラキラしてしまうわけです。

 

まぁ、解釈はそれぞれで、こっちはテキトーに歴史を楽しむばっかなので、学者さんたちの新しい説が出ると、へぇえー、と、有難く面白がっています。

 

最近では光秀の義妹が信長の側室だったかもしれない説です。

あれは、こう、萌えましたね‥‥主従で姉妹を愛したのかぁ、そっかぁ。ノブ、みっちゃんのこと信頼してたんだねぇ、なんて。