古いものの話

キーボードに慣れるための、どうでもいい話なんですが。

この秋に関東を襲った台風で古家の屋根の一部が破損し、一部の木造棟を解体しました。そんなわけで、今現在突然広くなった庭というより只の荒地を眺めているわけなんですが、まぁ古い家の丈夫だったこと。

最初は木造だし、屋根も銅板葺きだし一週間で楽勝でしょって感じで工務店から依頼を受けてやってきた解体業者の兄ちゃん達(せんべい大好き陽気な南米系含む)は次第に無口になっていって、当初入れる予定のなかった重機二台でバキバキに壊すのにかかった半月は、こっちも生きた心地がしなかったです。主には騒音で。

古いせいか基礎のコンクリも分厚くて、風呂場もタイルだったりしたので住宅街に物凄い音が響き渡り、なんか、こう、それがあたかも断末魔の悲鳴のようで、現在使い道がないので仕方ないこととはいえ、まだ直せば十分住めたのに壊して申し訳なかったな、と、しみじみしました。

退職してこの方、ちまちまと整理しつつ捨てていた古い服についても、最近になってちと後悔していたりします。

残してある服だけでも、平均寿命まで着きれないゾってレベルなので、量的には仕方ない話なんですが、なんか、かわいそうなことをしてしまったような気になって、結局断捨離って流行りは自分には馴染まないのだな、と、考えながら、四十年前に親が買ったらしい自動泡立て器を使ってシフォンケーキを焼いてました。この物持ちって家系だな。

ちなみに、使っているオレンジ色のスケールは、朝ドラの「ひよっこ」でアパートの備品になっていたりして、家全体が昭和の遺物です。あと、シフォンケーキは、小麦粉の代わりにホットケーキミックスを使って焼くと、きめ細かく失敗いらずです。ズルです。砂糖は加減して減らしてね。シフォン生地を平たく焼いて中沢の47%生クリームでイチゴを巻くとロールケーキに変身。安いイチゴのが酸味があってしっくりきます。

 話がそれましたが、新しい物は欲しいけど古いものも捨てたくないって、要は強欲ってことですね。でも抱えきれないものを持つと、人様に迷惑だしなぁ。

先々のことを考えるお年頃故、そして、最大の難敵である帯着物(胴裏シミあり刺繍ほつれありの昭和初期もの)の山がまだ手つかずで残っている辺り、大層悩ましいです。ちりめん細工とかできればいいんだけど、せっかちで不器用なんだよねぇ、自分。どなたか有効活用できる方、おられないかしら。